小6娘が好きな本「戦国姫-瀬名姫の物語」~築山殿は本当に悪女?

我が家の娘(小学6年生女子)が 次に選んだ 戦国姫シリーズ(藤咲あゆな・作/マルイノ・絵)は、「瀬名姫の物語」でした。

戦国時代の悪女として描かれることが多い、築山殿(瀬名姫)の物語です。でも 娘にとっては、2017年「おんな城主直虎」で、菜々緒が演じた 瀬名姫の 印象が強いので、悪女というイメージは なかったようです。

娘は、またもや買ってきた その日のうちに 読んじゃいました。ときどき涙ながらも、面白かったみたいです。

この本の最後の方には、今川義元の母、寿桂尼の物語も ありました。寿桂尼も「おんな城主直虎」を 見ていた 娘には おなじみの 人物とあって、夢中になって読んでました。
 

このページのガイド(目次)

 1. 瀬名姫(せなひめ)の物語
  1.1. 「戦国姫 瀬名姫の物語」
  1.2. 関係する戦国姫の物語
 2. 瀬名姫(せなひめ)・寿桂尼(じゅけいに)調べ
  2.1. 瀬名姫の物語 ほかにも
  2.2. 寿桂尼の物語 ほかにも
 3. さいごに
 

1. 瀬名姫(せなひめ)の物語

1.1. 「戦国姫 瀬名姫の物語」

築山殿(瀬名姫)は、通説としては 戦後時代の悪女として 知られますが、違った解釈の物語もあります。この「戦国姫 瀬名姫の物語」でも、悪女ではない 瀬名姫が描かれています。

瀬名姫は、徳川家康の 正室です。家康が まだ今川の 人質として 駿府にいて、元信(家康)と 名乗っていたときに 結婚しました。

ちなみに、瀬名姫は、今川義元の義妹・水名の娘として結婚しました。でも、もともと水名姫は、井伊直平の娘であり、人質として今川家にとられた身で、本来は今川の人ではありません。後に義元の義妹とされ、今川の家臣と結婚して、瀬名姫が生まれたのでした。

時代の流れの中で、この今川の血縁ということが、瀬名姫には 大きく災いすることになります。

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カバーの表紙の絵には、華やか姿の瀬名姫が描かれています。実際、とても美しい姫だったといわれる人物ですからね。

物語の中で、瀬名姫は 2度も 夫・家康と 離れたところで ピンチに陥ります。

ひとつは、桶狭間の戦いで、今川義元が 織田信長に 打ち取られたときです。夫・元康(家康)が、今川を裏切りったことで、今川に残されていた瀬名姫は、窮地に陥いります。

もう一つは、息子の信康の妻となった徳姫が、父の信長に出した 訴状がきっかけで、信長を怒らせ、信長から 家康に「瀬名姫と 信康を 斬れ」という 命令が下ります。

苦境に置かれ 翻弄された 瀬名姫の 人生の物語です。
 

 

関係する戦国姫の物語

「戦国姫 井伊直虎の物語」

瀬名姫の 母方の 従姪にあたる 祐(ゆう/井伊直虎)の 物語です。

NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」では、直虎と 瀬名姫の やりとりが 頻繁に行われていましたが、この「瀬名姫の物語」では、直虎(祐)は 名前が 少し出てくる程度です。

「井伊直虎の物語」では、この時代の今川を、井伊家側からの視点で とらえることができます。こちらも読むと、瀬名姫の 置かれた立場が より深く理解できそうです。

ちなみに「瀬名姫の物語」の あとがきで書いてますが、「井伊直虎の物語」とで内容を 意識しているところも あるそうです。両方持っている人は、比べてみることができます^^。


 

「戦国姫 茶々の物語」

茶々という人物は、通説では、瀬名姫(築山殿)と 並び称されるほどの 悪女として知られます。

茶々は 浅井長政と お市(信長の妹)の娘で、豊臣秀吉の側室として、秀頼を産み、豊臣家滅亡の最後まで 家康と敵対した人物です。

瀬名姫(築山殿)との 直接の 接点はないですが、家康にとって 都合の悪い 存在であったことでは 共通しており、家康寄りの 立場だと、いずれも 悪女に されやすい 人物なのでした。

茶々も 瀬名姫(築山殿)も いずれも 過酷な 人生を 歩んだ 人物です。


 

2. 瀬名姫(せなひめ)・寿桂尼(じゅけいに)調べ

2.1. 瀬名姫の物語 ほかにも

NHK大河ドラマ「徳川家康」

山岡荘八の小説『徳川家康』を原作とした、1983年に放送された NHK大河ドラマ「徳川家康」で 描かれた 築山殿(瀬名姫)は 悪女です。

築山殿(瀬名姫)は、今川を 窮地に 落とした 信長への 憎しみを 忘れられず、家康と不仲となります。そして、家臣と不義をはたらき、武田と通じて陰謀をはかり、そのことが発覚します。

斬られるのは 自業自得というストーリーです。
 

NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」

2017年に放送された NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で 描かれた 築山殿(瀬名姫)は 直虎とも 心通わせ、美しくも 周りとはなじめず、苦労人として 描かれています。

時代の大きな流れに 翻弄され、追い詰められていく 築山殿(瀬名姫)が 描かれています。
 

2.2. 寿桂尼の物語 ほかにも

「姫の戦国」

寿桂尼(悠姫)を描いた小説です。作者は、歴史小説家・永井路子(ながいみちこ)です。1994年に発売され、のちに文春文庫にもなっています。

寿桂尼(悠姫)は、駿河の今川氏親の妻で、氏親の没後も、二人の子の 氏輝や、義元などの 政治にも 関わりました。義元は「東海一の弓取り」へとなり、今川は 勢いを 増していくのでした。

ちなみに 作者の永井路子は、NHK大河ドラマの「草燃える」「毛利元就」の 原作に 採用されるなど、人気の歴史小説家です。
 

NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」

2017年に放送された NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」でも 重要な 人物として 寿桂尼が 登場します。

主人公の 直虎を 含め 井伊家が あがらうことができない 実力者です。義元の没後は 後を継いだ 孫の氏真を助け、さらに存在感が 高まっていきます。
 

3. さいごに

いろんな作品を 見ていると 気づくのですが、歴史の 人物は、語られる 作品によって 見方や 立場が 変わると、全く違った 人格の 仕上がりになっちゃいます。

以前は、悪者として 扱われていた 人物も、実は その時代の 勝者・実力者によって、悪者にされていただけのことも あるようです。敗者は 何を言われても、言い訳も できないですからね。

小説戦国姫シリーズは、それぞれの姫の立場で、描かれているので、その姫の境遇を 他の人物の偏見に 害されることなく 読み取ることができますね。
 

 

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